蜂と神様 金子みすゞ
蜂はお花のなかに、
お花はお庭のなかに、
お庭は土塀のなかに、
土塀は町のなかに、
町は日本のなかに、
日本は世界のなかに、
世界は神さまのなかに。
さうして、さうして、神さまは、
小ちやな蜂のなかに。
「神さま」という言葉、どのように捉えますか?
「神さま」という言葉に、あやしさ・うさんくささを結びつける人も多くいるように感じています。
日本において、特に。
「私は神さまとか、信じていないから」
なんて、言ったこと、聞いたこと、ありませんか?
信じる / 信じない
というようなものなのでしょうか。
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「神さま」に対して、人の形を当てはめて考えてしまいがちですし、自ら「神さま」を名乗っている人間も、います。
けれど、本当に「神さま」って”そういうもの”のことを指すのかな?
「信じていれば神さまは救ってくれる」ということばの意味を、ストレートに捉えていては、もうひとつ先には進めません。この言葉は、ある意味では本当。しかし、違うとらえ方をすればただのまやかしでしかない。
例えば、映画を見た後に
「あのシーン、どういう意味だったんだろう?」
と考えたことが、あるでしょう。
ジブリ作品を見て、
「宮崎監督、この映画を通して、何を伝えたかったのだろう?」
誰しも考えたことがあるはずなのです。
「神さま」という言葉を当てはめなければ表現することのできない事象がある。
それがなければ私たちがココに存在することはないし、
そもそも宇宙空間すらない(認識できない)のです。
昔々から人間は、そこに思いを馳せ、考え、感謝の念を持ち、
それを「神さま」と表した。
そのように考えることはできないでしょうか。
自分が生きている意味について、
この世界が成り立っている意味について、
深く考えたとき。
必ずぶちあたる???が、あるはずです。
金子みすゞさんのこの詩は、
そのことを、とても簡単な言葉で伝えてくれている。
私の考える「神さま」は、この詩が代弁してくれています。